少し古いですが例の米上院議員ジョン・ケリー氏の「勉強しないとイラク」発言。
どうもあまりにアホみたいなニュースに聞こえたので色々調べてみた。
本人の弁明で既に「ブッシュ大統領に関するジョークにしようとしたんだけど失敗した」旨を伝えていますが "勉強しないとイラク" のインパクトが強すぎてあまり日本では大きく取り上げられていないような気がするので。
えー、長いです。興味のない方は放置推奨です。まずは参考情報:
ジョン・ケリー [Wikipedia]
まとめ: ケリー議員はベトナム戦争に実際に参加しており、
その際3度の名誉負傷章、銀星章 (非常に勇敢な行動に対して贈られる章)
を授章している。 またこの戦争で大学のクラスメートを何人も失っている。
除隊後、数々の章を授章したにもかかわらずかなりラジカルに反戦活動に参加した。
もしかしたら心の底では「アメリカの軍隊にいる人間の大半は教育水準が低い」と思っているかもしれないけど、 近しかった友達が何人も戦争で死んでる人間が、兵士を侮辱することは言えないんじゃない?と考えるのが普通だと思うのだが。
英語の個人サイトいくつか見てみたのですが、大抵のサイトでは 「誰がどう見たってここで Get Stuck In Iraq (イラクで手詰まりになる) は (ろくに勉強もしていないのに必要のない戦争を仕掛けて結局) にっちもさっちもいかなく (なったブッシュ大統領みたいに) なるぜ」 という意味だろうよ。といわれてました。まあ僕の調べ方が適当なのでなんともいえませんが。
僕としても、ブッシュ大統領を直接意識していたかどうかは別にして Get Stuck という表現からは "勉強しないと兵士になっちゃうぞ" という意味には取れない気がする。 もし言われているようなジョークにするなら "End Up serving" とか大げさな表現にするだろうし。
ひとつ興味深かったのがある種の掲示板のような場所で見つけた発言。適当に訳すと
確かに誤解されてもしょうがない発言ではあったが、これが米国の兵士を侮辱するものではないのは明白なのに、 このように大きく騒がれることにびっくりした。でももっとびっくりしたのはマスコミがこれにより選挙の投票に影響がでるような 報道をしていることだ。まったくもってあほらしい。単におっさん一人があほな物言いしただけなのに
3割灰色だったら黒だと言い切ったほうがウケるから黒で行きましょう、というタイプの報道はどこでも一緒なんだなと思った。
参考リンク
問題の発言はCNN のページから動画で確認できる
「Kerry comments spark controversy (1:50)」をクリックすると動画が再生されます。各ニュース サイトの例の一文リスト
「君たちがしっかり勉強し、宿題をこなせば、うまく行く。そうでないとイラクで身動きがとれない有り様になる」僕の見た限りでは一番事実を正確に伝えているように見えます。 例の一文を公正な態度で訳している (あるいは、ちゃんと理解してと言い換えられるかもしれない)。 誤解されかねないけど意図したジョークも伝わる・・・かな。
「勉強しないとイラク」ケリー議員失言、「陳謝」でケリ [Sankei Web]
「一生懸命勉強しないとイラクに巻き込まれる」どこから出てきたんだろう「巻き込まれる」ちょっと原文ないがしろにしすぎのような気が。
「勉強しないとイラクに」ケリー氏失言謝罪 [日テレ NEWS 24]
「勉強しないとイラクに行くはめになる」うう~ん。どこに行くってあるんだ?悪意を感じる、というよりも不思議だ。 別の日本語ニュースソース読んでから書いたのか、あるいは面白そうだからそっち方向に意訳してしまえってことなのか。この類の意訳は完全に裏とってからじゃないとできないのに・・・。
追記
最近テレビでニュース番組見ているとよくいらいらします。何でかなーって自分で考えていたんですがやっと分かりました。 TV のニュースって言うのは事実に味付けして食べやすくしてあるんですよね。 事実のほかに、何が正しいのか、何が悪いのか (についての意見) をいちいち補足してくれる。 Web でニュースを得るのが基本の人間は 1 つのソースで興味あるニュース見つけたら いろんなところで同一ニュースについて調べて、その報道内容の差から物事を推し量ったり、 そこで起きたことを自分の基準でいちいち判断、処理するから、TV のニュースが味付け過多に思えるのだろうと。 オレが好きに醤油かけるからほっといてくれというイライラだったんですね。 じゃあ見るなという話ですが本当にそのとおりですねごめんなさい。