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30 days トリプルパック [amazon.co.jp]

題名見て、モーガン・スパーロックって誰よと言うのがほとんどの人の反応だと思うけど
スーパーサイズミーの人といえば一発で分かってもらえそうな気がする。

先日近所のゲオでなんとなく目に付いて借りた 30 days の 2 巻が面白かったっす。

シリーズの意図は、30 日間特定の環境で暮らし、それを番組にまとめるという、よくありそうなドキュメンタリーもの。お題は最低労働環境、アンチエイジング、イスラム教、ゲイ・・・などなど。

そしてうちの夫婦がとても楽しんだ第2巻の内容は・・・
1) 敬虔なクリスチャンとして生きてきたアメリカの中流白人男性がイスラム教の教えにしたがって暮らす
2) アメリカの田舎に住むゲイ嫌いの農場の息子がゲイの街でゲイの家にホームステイする

+ + + + + + + + + +
どちらもアメリカという国が直面している問題点をピンポイントにつつく内容ですよね。
内容もかなり真っ向から立ち向かっている感じで好感が持てる。


しかしこの番組、日本では WoWow で放送されていたらしいんだけど、同じ内容でも日本とアメリカでは意味合いがだいぶ違ってくる気がする。「自分の国の問題として、自国民として見る」アメリカと「自分の国では事情が少し違うけど大筋では同じよその国の問題を、人類という大きなくくりまたは他国民として見る」日本(いわば対岸の火事だ)というかんじで。

アメリカでの放送時には「多数派」である白人・中流・クリスチャン という属性の人たちも(ニューヨークっ子とテキサスっ子とカリフォルニアっ子では別の国のように異なる部分もあるだろうが)、日本ではほぼゼロに等しく、彼らが何を考えているのかあまり知られていない 。そういった人たちが一般的に持つ思想や思い込みを知ることができるのもこの作品の大きな利点ではなかろうか。

"ジーザスを信仰しつづけている" 人や、"同性愛を嫌う理由は聖書で禁じられているからだ" と信じている青年といった、「多数派の認識」を持った人をチャレンジャーに、「危険である/虐げる対象」を環境にセットすることで、アメリカでは「多数派が少数派に対して持つ偏見」をあぶりだす効果があるだろうけど、日本ではまずその多数派が何考えてるのか見える機会が少ないので、多数派の情報まで得られる "一粒で2度おいしい感" があるような気がする。

お勧めです。


個人的な感想としては、
* 集団対集団ではうまくいかなくても個人対個人だと解決できることってすげえあるよなあって改めて見せつけられた
* アメリカ人の持つまじめさ、素直さ (あと熱血さも) みたいなものがすごくよく見えたのがよかった
* 翻訳について。Our God を 神と訳すか 私の信仰する神と訳すかで文の意味がぜんぜん違うところがあってこええなと思った
* 見終わったあと、自分も素直でありたいなと思った


割と気軽に見られますんでレンタル店で探してみてくださいな!
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